前回からの続きで覚醒・悟りシリーズ。
前回まではTMシディテクニックの感想というかシェアをしたわけだが、結局、何をやるかも大事だが・・・
「どう取り組むか」
とこちら側の姿勢が問われてくるという話をした。
ということで、ヴィパッサナー瞑想をやった時のお話とそのメカニズムをシェアしていこうと思う。
時系列的にいうと、この頃は既に今まで解説したような「TMシディテクニック」は実践していた。
つまりAの覚醒意識に触れる体験はしていたが、それが浸透しきっていなかったので納得していなかった時期。
マントラとスートラで確かに至福な状態には成るのだが主観的にはイマイチな状態。
「確かにいいんだが、だから何?」
みたいな状態だった。
物足りなかったわけだ。
Aの覚醒意識の強さも浸透度合いで言ったらまだまだだったし、Bの成熟度もまだまだだった。
そんな時に・・・
「ヴィパッサナー瞑想は凄いらし」
という声がチラホラ耳に入ってきた。
ちなみに、現在はヴィパッサナー瞑想がかなり普及してきた感はあるが、20年前の当時は・・・
「ヴィパッサナー瞑想?何それ?」
「仏教の瞑想って、そんなに大した事ないでしょ? やっぱヨガの方が」
みたいな風潮だった。
ただ、私には独自のネットワークがあり・・・
「あそこは覚醒した人が●人出たらしい」
という噂が耳に入ってきた。
「どういう事だ?」
と聞くと・・・
「預流果が2人と不還果が1人出た」
との事。
「何? 聞き捨てならぬ!」
みたいな感じだった。
ちなみに上座仏教では禅と違って自分の状態を公には開示してはいけないシステムになっているので、こういった情報はなかなか入ってこない。
ちなみに悟りや覚醒は様々な分類方法があり、上座仏教では・・
預流果
一来果
不還果
阿羅漢
と4つに分かれている。
分類法によってはもっと細かく分かれるらしいが、とりあえず4つ。
というのが表向きにはある。
表向きというのは、これは上座部の僧侶に聞いたのだが最初は阿羅漢しかなかったらしい。
しかし・・・
「あれっ あいつやっぱ阿羅漢じゃねえんじゃない?」
という事で色々と後世で後付けしていった結果、このような分類になったという話。
つまりお釈迦様が厳密に決めた訳ではなく、その後に続く人達がああでもないこうでもないとカテゴリー分けしたわけだ。
もちろん、分類したからにはそれなりの根拠や特色はあるだろうが、金科玉条のごとく絶対視するのもなんだかな〜という話。
ただ、そうとは言え目安的なものになる部分も個人的にはあると思う。
例えば預流果の状態になったら・・・
有身見(うしんけん)
という状態になるという。
有身見とは・・・
「私という独立した存在がある」
という概念が崩れる事。
まあ、概念が崩れるといっても色々なレベルがあるわけだが、思考レベルや普通の観察レベルではなく、ある程度体感でガツンとこないと本当には崩れないと思う。
最低限、前の記事でお話したムージのサットサンの動画ぐらいにならないと、私達凡夫は厳しいものがあるだろう。
この動画は自分の中に人々やビルなど外部のものが入ってきたという感覚になっているが、なぜこのような現象が起こるかと言えば「私」が無くなったからだ。
これがある程度身にしみて体感というか認識すると、その後は今までの延長ではいられない。
世界観が変わる。
ちなみに、こういった悟り・覚醒の分類法の罠という気をつけるべき点がある。
それはエゴ的な意識モードで取り組まない事。
どういう事かというと、勲章やトロフィー感覚になる場合がある。
ちょと嫌な話になるが、あるあるなんで聞いて欲しい。
格闘技とか習っている人は・・・
「●●より●●が強い」
のような比較は大好きだ。
プラスして、一見謙虚でも・・・
「あいつより俺の方が強いぜ」
みたいにみんなそれぞれ思っていたりする。
今はわかりやすく格闘技の例を出したが・・・
「同期入社のあいつは部長になったけど、俺の方が仕事ができる
のになんでまだ主任なんだ」
みたいな話は腐るほどある。
こういった伝統的な修行でも・・・
「何? あいつが一来果だと? 預流果の俺の方が定力が高いのに。
自分で言ってただと?」
みたいな小競り合いが勃発する。
このように悟りの階梯らしきものは、あるっちゃあ有るが、通常のゴミみたいな私たちのエゴの装飾品になり下がるケースもあるよという話。
更に言えば、なんらかの神秘体験や一瞥を自分の甲冑として身にまとい、普通に世間一般の人達を一段下に見ているケースもままある。
まあ、その人の精神的な拠り所がそれしか無い場合は初期的にはそうなっても仕方がないが、この辺がAの覚醒と特にBの成熟度を深めるいい機会だと思って揉まれるしかないわけだ。
とにかく悟りの定義や解釈は色々あるが、ヴィパッサナー瞑想は強力らしいぞという噂が耳に入ったという話。
「マジですか、そこまで言うだったちょと」
と言う事で偵察に出かけた。
続く・・・