前回はプラーナを補充するには睡眠が最も基本だという話だった。
ここの部分が不足していると、瞑想しても寝てしまったりする。
また、日中のパフォーマンスも低下するし免疫力も落ちるので健康にも良くない。
前回のお話
プラーナと睡眠不足と居眠りは病気の話
今日は前回の話を補足する感じで情報をシェアしていこう。
まず、ショートスリーパーの話が出た。
ショートスリーパーというのは6時間以内の睡眠で支障なく活動出来る人という話。
前回話題に出た筑波大学の柳沢 正史氏という睡眠分野の最前線の研究者によると、本当のショートスリーパーというのは千人に一人ぐらいの割合らしい。
ショートスリーパーを自称する多くの場合は単なる睡眠不足らしい。
ちなみに、睡眠が足りているか否かの目安として、昼間に暗くしてベッドで寝た場合、睡眠が足りていると簡単には眠れないらしい。
なぜなら、人間はもともと昼行性なので昼間は眠りにくいように脳も体も出来ているわけだ。
だから…
「俺はいつでも、どこでもすぐに眠れるぜ」
という場合は単に慢性的な睡眠不足という話になってくるようだ。
このショートスリーパーかどうかというのは遺伝子によって決まってくるので、訓練すれば誰でもなれるようなものでは無いというのが今の科学的見解のようだ。
で、ここからがスピリチュアル的な話題になってくるが、TM瞑想のマハリシ曰く…
「瞑想によって脳が進化すると睡眠は3時間で足りるようになる」
という話をしていたのを思い出した。
もうマハリシ・マヘッシヨギは亡くなられたが、元気な時は高齢になってもほとんど寝ていなかったようだ。
夜中の3時ぐらいにスタッフが呼び出されて、色々指示を出すから困ったみたいな話を聞いたことがある。
違う聖者ではサイマーなども眠らないらしい。
サイマーとはサイババのお弟子さんで、女性で唯一と言ってもいいジャガッドグルというインドでも伝統的な称号を与えられた聖者。
ちょっと具体的な年齢はわからないが、もう70前後のはず。
ただ、実際に会うとメチャクチャ美人でエネルギーも物凄い。
まさに輝いている。
そのサイマーも夜は眠らないという。
最初は行として一定期間だけ不眠の行として夜に瞑想しているのかと思ったが、日常的に横になって眠らないらしい。
彼女曰く、眠らなくなってから加齢がストップしたという。
ここのところは…
「う〜ん どうなんだろう」
というところ。
これは特殊なケースであって、昼間、普通に働いたり活動している場合、不眠はかなり難易度が高いのでは無いかと思う。
例えば瞑想リトリートなどで、外界からの刺激をカットして瞑想三昧の生活をした場合だったら、睡眠がゼロとは言わないが極端に少なくなるというのはわかる。
私の場合もリトリートなどの瞑想三昧のモードに入れば、食事は自然にごくわずかで十分になる。
また、コンディションが整えば夜横になっても主観的には意識は途切れずに維持されるような状態になる。
その状態をキープ出来れば、ほぼ寝なくても平気な世界もあるかもしれない。
しかし、日中にハードに働いたりした場合は絶対にムリ。
だから、普通の我々の場合は聖者のマネをして寝るのを辞めるのはほぼ無理なんじゃ無いかと思う。
あと、不食で有名なジャスムヒーンもせいぜい1時間くらいしか眠らないという。
本人は…
「私は眠って夢を観たいから寝たいの」
と言っていたが、1時間くらいで起きて眠れなくなるらしい。
それでいて、日中の活動量は普通の人より多い。
例えばセミナーを開催すると、座らないでほぼ一日中立って話続ける。
昼休みもご飯を食べないで、参加者の質問や写真撮影に付き合っている。
それを何日もぶっ通しでやって、終わったら次の国に旅立って同じことを続けるわけだ。
普通は出来ないスケジュールだ。
このような例に遭遇すると、ショートスリーパーは現代科学では遺伝子で決まっていて千人に一人だという話だが、瞑想や食事法によってはこの辺の定義が変わる可能性もある。
例えば、先ほどの睡眠研究の第一人者の動画をいくつかみたが、食事と睡眠の関連や実験について、実際には行っているのかもしれないがデータや話は無かった。
菜食や断食、長期の瞑想リトリートなどをした人はわかると思うが、消化器官のエネルギー消費などが無くなると、それほど睡眠が必要でなくなるのはよく経験すると思う。
食べ物を消化する時のエネルギーは約1600キロカロリーを費やすという。
これは体を維持するエネルギー全体の約70%に達する量。
1600キロカロリーといえば、フルマラソンの完走で消費するエネルギー量に相当するという。
よく、ボディメイキングで減量する時にプロテインを飲まないで食事をメインにする人がいるが、これは食事誘発性熱産生と言って食べるだけでカロリー消費して痩せられるというメカニズムを使っている。
逆に言えば、この食事で消費するエネルギーやロスが無いわけだから、その分の休息、つまり睡眠が減るという話になってくる。
また、食事でもケトジェニックのように穀物を食べないで糖を使わない食事法をすると、エネルギー効率が良くなって睡眠時間は減る傾向にある。
また、私が開催しているitのプログラムのように、エネルギーや意識が活性化してくると睡眠時間も短くなる時がある。
言葉では表現しにくいが、今の意識とは違うモードが顕在化してくる。
例えるなら、コーヒーを飲むとカフェインで脳がシャキッとするが、それが強くなったような感じ。
そうすると夜眠りにくくなるが、かといって不眠症というのとは少し違う。
眠れないけれども、至福と心身の心地よい状態がズーと継続する感じなので不快ではないし、翌日に睡眠不足で眠いということも無い。
ということで、今日はショートスリーパー系の話だったが、実は生物にとって睡眠こそがスタンダードな存在で、目が覚めている状態というのは進化の過程で出てきたという説もある。
つまり、普通はこうやって意識があって活動状態している状態が基本で、睡眠は回復する為にあるといういう考えが一般的だが、その逆。
寝ている状態が生物としてデフォルトで、目が覚めている状態がイレギュラーかもしれないというのが脳が無い生物を研究してきてわかってきたらしい。
とにかく、睡眠にしろこの私達の「意識」にしろ科学的に解明されるのは、まだまだ先のようだ。