前回は瞑想する時にどのような座り方をした方がいいのかという話だった。
いわゆる座法と言われているものだ。
前回は座り方にはざっくり2種類あるという話だった。
瞑想の座り方 結跏趺坐(けっかふざ)で座った方がいいの?
今日はその話をもう少し深堀していこう。
座って瞑想するのは実は高難易度
そもそも瞑想を行おうとして座るというのは難易度が高い。
結跏趺坐でカッチっと足を組んで背筋や丹田を意識して座るのは難易度が高いという話をしたが、ゆったりとかなりユルい姿勢で座る場合でも難しい。
なぜなら瞑想しようとして座った時点で…
「これから瞑想をしよう」
という意図が入ってしまうからだ。
力みと言ってもいいかも知れない。
瞑想と猫の話でも解説したが、瞑想というものは…
「入るものではなくやってくるも」
という話をしたように力づくや意図的な目論みではやって来ない。
瞑想と猫
とてもとても繊細なものだ。
花火大会
どのくらい繊細なのか?
例えば美しさを感じる時と比較しする。
これも先週ZOOMでセッションをした時にお話ししたのだが、綺麗な景色を観て感動する時ってあると思う。
例えばあなたは花火を観て感動しようと思って、花火大会へ行ったとする。
出来るだけ花火を近くで観ようと思って、打ち上げの会場まで行く。
そうするともう大混雑だ。
やがて花火の打ち上げ時間になって…
「ボーン パン パン パン ドーン!!」
と花火が始まる。
大した感動はしない
確かに花火が近くで観れるし、迫力はあるだろう。
しかし、子供の頃ならいざ知らず、大人になった今となっては実のところそこまで感動しない。
いや、確かに綺麗だし迫力はある。
ただ、なんというかそこまでの感動は無い。
寧ろ…
「帰りは混むから早めに出ないとな」
とか考えてしまっている。
突然の美
一方、あなたは遠出して車を運転している。
夜になり無心に運転していると、突然…
「ドーン」
と花火が視界の端に打ち上げられているのを観た。
その美しさたるや言葉に出来ないほどだ。
突然の美を感じたわけだ。
この2つの状況。
花火大会ではそれほど感動しなかったのに、偶然見かけた花火はエラく綺麗に感じた理由はなんなのだろうか?
夾雑物
それは花火大会に行った時は力みがあったからだ。
- 花火が綺麗に観れる場所をとってやろう
- 花火を出来るだけ近くでみて感動しよう
という夾雑物があったわけだ。
しかし、偶然花火に遭遇した時はこれらの力みがなかった。
不意に、突然に花火に遭遇したので純粋にその体験を味わえた。
瞑想を妨げるリキミ
瞑想もそれに似ている。
- 瞑想に入りたい
- 良い体験をしたい
- 何か神秘的な体験をしたい
- あわよくば悟りの一瞥でも
などは力みだ。
花火大会と一緒で、そのような力みは夾雑物だ。
あまりにも繊細な瞑想という状態はその夾雑物によって阻害される。
純粋に体験できない。
座った時点で力みが増大
座法はその力みを増大させる。
もちろん、瞑想の上級者には座法は役に立つ。
結跏趺坐のようなカッチっとした座り方にせよ、椅子に座った緩い座法にせよ上級者にとっては座法は役に立つ。
しかし、瞑想の初心者や中級者には座ること自体が…
「よし!これから瞑想して良い体験をするぞ!」
という力み、夾雑物になってしまう。
ではどうしたいいのだろうか?
2つの方法
やり方はいくつか存在する。
・ひたすら座る
・座らない
とざっくり分けると二つの方法がある。
ひたすら座るというのはオーソドックスな方法。
やっぱり習うより慣れろで、1日4時間くらい毎日瞑想していれば段々と慣れてくる。
また、ある程度それで慣らして一日中座るリトリートを10日とか2週間行うと座りながら瞑想が楽に出来るようになってくる。
ただし、これはモチベーションがある程度ないと出来ない。
モチベーションと適性と言ってもいいかもしれない。
中学生の部活でも
ただ、なんというか中学生の部活でも学校が終わって2〜3時間は毎日練習はするわけだ。
私は中学生の時にサッカー部だったがそれくらは練習した。
土曜だって午後の練習が終わってから一旦帰宅して、再度学校へ戻って18時から体育館で練習。
休日も他校の遠征試合などで1日費やす。
仕事だって毎日8時間、通勤時間を入れたらもっと費やしている。
それを30〜40年以上続けるわけだ。
瞑想やそれに類するワークもある程度、せめて中学生の部活程度は時間と労力を投入しないと、それなりの結果は得られないという話にはなってくる。
質より量をこなして
これがスタンダードというか、ある程度量をこなして体を作っていくタイプの方法。
量をこなしているうちに、体も出来てくるし意識の「力み」もふと取れる瞬間がやってくる。
一見ハードなようだが、世の中の趣味、スポーツ、技術や技能、仕事の上達の鍵はみんなこのタイプだと思う。
瞑想も一緒でとにかく量をこなすのが遠回りなようで近道とも言える。
「リアルさん、それってちょっとハードですよ」
と思うかもしれないが、どんな分野でもそうだが一旦ハマってしまうと逆にそれが楽しくなる。
だから心配はいらない。
問題はハマって楽しくなる地点まで行けるかどうかだ。
それに対してどれだけ興味を持てるかだ。
この辺の話をすると長くなるので、またの機会にするとして次に緩い方法。
緩い方法はそこまで気合を入れて頑張らなくてもいいとこまでいくケースがある。
この場合は…
続く