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霊言と平井和正と真夜中の呪い 前編

この前は占いタクシーという霊媒がタクシーの運転手で、乗客を霊視して亡くなった人との通信をするという話を紹介した。

前回のお話

トーマスの占いタクシーとあの世では◯◯が出来ない話と類魂説

今日はその続きで最近話題の霊言について。

最初に結論から言うと、私たちは誰でも無意識に霊言をしている場合があるという話。

自分では自分で考えた内容を話していると思っているが、本当にそれは…

「自分の考えなのか?」

と言う部分を振り返ってみるのも面白いと思う。

例えば最近大手の団体の教祖が亡くなられた。

先週YouTubeを見ていたら、その教祖の息子さんが出ていて親父(教祖)の霊言をするという場面を観てしまった。

確かあれだけ父親の教団を否定していたのに、見事な霊言というか父親を降ろして喋っていたのである意味立派な後継者だとも言える。

その時、霊言という言葉を聞いて…

「待てよ?霊言という言葉は以前聞いたことがあるな?」

という思いが湧いた。

というか、そもそも幸福の科学というのをよく知らない。

以前、木場に映画を見に行く時に、奇妙な着ぐるみを着て教団の映画の宣伝をしている集団を見たことがあるが、教団の本も読んだことはなかった。

そこで少し調べてみたら、GLAが母体だったらしい。

そのGLAから会員がごっそりと移動して出来たのが今の教団らしい。

GLAというのは故・高橋信次氏が創立した宗教団体。

私も行ったことはないのでよく知らないが、この高橋信次という方は当時は結構有名だった。

実は40年以上前からGLAや高橋信次という名前は聞いたことはあった。

当時、中学生だった私は校庭で遊んでいてスライディングした時に指を骨折してしまい、家でヘコんでいた。

そんな時、弟が…

「兄ちゃんが好きそうな本あったよ」

と図書館で本を借りてきてくれた。

その本が平井和正の「ウルフガイ・摩天楼」というものだった。

狼人間である主人公が天界の天使の指示によってニューヨークに行って魔と対決するという物語。

10代前後に読んだ本というのはある意味特殊だ。

当時は推理小説やSFを好んで読んでいたが、幼い頃に読んだ本というのは一種の磁力を持っている。

大抵の本は面白くて仕方がなかった。

その中でも平井和正の本はヒットだった。

厨二病という言葉あるように、誰しも中学2年前後は感性が豊かというか夢見がちだが、幼い頃、病弱だった私はウルフガイという不死身の主人公に憧れた。

犬神明という満月になると不死身になる主人公が活躍する物語なのだが、かなりオカルトも入っていてる。

そのシリーズが面白くて読んでしまったので、同じ作者のものを探すと「幻魔大戦」というシリーズが目についた。

この幻魔大戦は後に映画にもなったが、原作は東丈という超絶的なPK(念動力)を持つ少年の物語。

これだけ聞くとなんだか子供が読むようなジュブナイル的な小説と思いがちだが、実はこれが教団内部のゴチャゴチャした人間関係を描いているという異色の作品。

平井和正が全盛期のあのネチネチとした文章で、この辺のところをこれでもかと描いている。

その幻魔大戦という小説の中で霊言というワードが多用されてる。

なんだか少年の頃の淡い思い出と最近のニュースがゴチャとして気持ち悪いが、とにかくその霊言というワードがきっかけになって思い出してきた。

実は作者の平井和正は当時GLAに入っていたらしい。

正確にいうとGLAの創始者である高橋信次氏は亡くなっていたので、跡を継いだ娘の高橋佳子のところだが。

平井和正は作家ということで、教団の看板的な存在を期待されて高橋佳子氏に寵愛されたらしい。

しかし、ここで事件が起きた。

平井氏が自宅で執筆していると怪奇現象が起きるようになったらしい。

怪奇現象というのは深夜になると部屋の空間が歪んだようになって、そこから魔的な存在が現象化してくるというもの。

平井氏も軽い霊能者タイプなので、その現象が起こった時に…

「もしかして、これは◯◯の呪術じゃないか?」

と思い当たったそうだ。

なぜなら、自分が教団のトップである佳子氏と仲が良すぎた為、教団の幹部などからかなり嫉妬され険悪な空気だったことが思い出されたという。

怪奇現象の時にその中の幹部の顔が浮かび、教団のトップである高橋佳子に相談したらしい。

そうしたら、次の日からピタッと怪奇現象は止まったらしい。

このように、宗教的な団体の軋轢や人間関係に疲れて、教訓としてして書いたのが幻魔大戦という小説だと後に本の後書きで述べていた。

これを読んでいる人も経験があるかもしれないが、平井氏の例ではないが人が集まる団代というのは大変なことが多い。

普通の会社とかでもそうだが、特に宗教的な団体は伝統的なものであっても近年のものでもマーヤが多い。

普通の会社は資本主義なので「利益」という一定の基準の中でこの仕組みや人間関係の軋轢が発生するのでまだわかりやすい。

会社の売上や利益などを見えれば、その方向性が正しいかどうかは大体わかるからだ。

宗教的な集団の場合はある種の「真理」という抽象的なものさしでみるので、数値化出来ないので客観視しにくいので難しい。

その中で方針の違いや人間関係のあれやこれが発生するので結構ハードだったりする。

まあ、いったら普通の会社や社会もスピリチュアル的な団体も、そういった軋轢の中で揉まれるのが修行だったりするわけだが。

ということで、とにかく作家の平井和正氏が幻魔大戦という小説の中で霊言(異言)を取り上げていたという話。

次にこの霊言についてもう少し詳しくみてみよう。

実はシンプルなタイプの霊言だったら、これを読んでいる人もすぐに出来る。

後編へ続く…