前回はありがとうおじさんに会いに行こうと誘われた話だった。
今日はその続きから。
午前9時に新宿の南口で待ち合わせして、高速に乗り滋賀県の山奥へ。
重労働という修行
どのくらい山奥かというと携帯の電波が届かないくらいの場所にありがとう村というものがある。
村というからにはある程度の規模で、木造の建物が何棟か建っていた。
その村に到着するとさっそく修行が始まる。
修行と言っても一般的なイメージの瞑想したりする修行ではなく「ご奉仕」と呼ばれる肉体労働。
ありがとう村は山奥にあるので…
砂利を運ぶ
林業のお手伝い
などを行うわけだ。
しかし、これもエラくハード。
ほぼ休憩なしで猛烈なスピードで砂利を運んだ。
まるでバケツリレーの競技をやってるかと思うほどスピードにこだわっている。
シャベルで砂利を掘る時も
その砂利をバケツに入れて渡す時も
「ありがとうございます!」
という猛烈な掛け声と共に動きまくる。
ちなみに、このご奉仕と言われる作業というかボランティアをしている人は結構いて、30人以上はいたと記憶している。
聖地では筋肉痛にならない?
砂利を車で運ぶ移動中にその中の一人にこんな事を言われた。
「ありがとう村は初めてですか」
「ここは聖地なのでいくら激しい肉体労働しても明日は筋肉痛にならないですよ」
なんでも会社を経営しているらしい普通の方だったが、それを聞いて内心…
「いやいや、こんだけ慣れない重労働したんだから、明日は筋肉痛でしょ」
と思ったが、そうなんですかと調子を合わせておいた。
聖地では疲れないという話はセドナに行った人などもいう話ではある。
セドナではいくら激しいトレーニングをしても翌日は回復しているみたいな話は聞く。
しかし、滋賀県のこのような場所で果たして本当だろうか?
ちなみに、このご奉仕と言われる重労働は何を目的として行われているのか?
カルマが解消する現象
その辺をこの村に詳しいWに聞いてみた。
「なんでこんな労働するの?」
W
「カルマ落としや」
という話。
昔はカルマ落としは病気という形で解消したらしい。
ある日、ありがとうおじさんが…
「これからカルマ落としをする」
と宣言して、しばらくしたら奥さんがガンになって闘病生活になったらしい。
それを経験して…
「病気でカルマ落としをすると空気が暗くなるから、重労働をして代用する」
と決めて、このご奉仕と呼ばれる重労働の行を行なっているらしい。
「病気でカルマ落とし?」
と思うかも知れないが、これは比較的ある話。
カルマの話になると長くなるので割愛するが、私達に良かれ悪しかれカルマというものが存在する。
で、悪いカルマが解消する時は…
病気
人間関係のトラブル
事故
などが起こるのが一般的。
これらは普通は悪い事と思われがちだが、スピリチュアル的にいうとカルマが解消するから「吉」とされている。
逆に良いこと、特に一見努力せずに棚ぼた式得たラッキーなこと、例えば宝くじにあたるなどは「凶」とされる。
お金に例えると、一般的に凶とされている事は借金を返すイメージ。
逆に宝くじなど当たった場合は過去生や今まで積んできた貯金を一気に下すイメージ。
この辺の概念はありがとうおじさんだけでなく、ヴィパッサナー瞑想などの仏教でもヒンドゥー教などのヴェーダでも同じ考えである。
まあ、この辺がひたすら楽をして現世的な幸せを願う流行りのスピリチュアルと伝統的な歴史があるスピリチュアルの違いでもある。
先ほど…
悪いカルマが解消する時は…
病気
人間関係のトラブル
事故
などが起こるのが一般的。
という話だったが、ありがとうおじさんは肉体の重労働でこれらを解消するという話だった。
ウルトラマラソンは実は瞑想だった シュリ・チンモイ
ちなみに、強い肉体的な負荷をかけてカルマ解消するというのは海外では故人だがシュリ・チンモイが有名。
シュリ・チンモイは早くも両親を無くしてインドのオーロビンド・ゴーシュの弟子となる。
元々運動好きで20代の頃は十種目競技と短距離の選手だったらしい。
このシュリ・チェンモイがメインで行なっていたワークが「アーミー・メディテーション」と言われるもので、とにかく肉体に負荷をかけまくって浄化する。
あの有名なウルトラ・マラソンを日本に広めたのもシュリ・チンモイの主催する団体。
どのくらい肉体に負荷をかけるかというとそのウルトラマラソンの名前から察する事ができる。
自己超越3100マイルレースといい、3100マイル(約4,989km)を52日いないに完走するというもの。
約5千キロだ。
このように激しい肉体的なトレーニングをして、その最中に神を意識すると物凄いカルマの浄化になるという。
このように、ありがとうおじさんだけでなく、体に負荷をかけて聖なるものに祈るとカルマが解消されるというのはポピュラーな話ではある。
カルマ解消の時期色々
普通はこのカルマ解消は特定の時期に行われる。
特に大きなカルマ解消で一番多いのが老年期の死ぬまでの間。
もうこの体は使わないから、魂としてはこの時期に様々な病気や苦しみとして現象化させてそのまま向こうの世界へ移行するパターン。
なぜなら、例えば子供が小さくて家のローンがある働き盛りに重病をしたり入退院をくり返すのは非効率なので、老年期をカルマ解消の時期として選んだりする。
だから、一見、老齢になって病院通いになって大病を患うというのはネガティブだが、解消するカルマがある場合は効率的だとも言える。
あと、老年期ほどではないが、幼少期にカルマ解消するケースも多い。
この場合は小さい頃に体が病弱だったり、カルマが親に出て両親が苦労するケースが多い。
ということで、とにかくありがとう村では重労働を行う。
まあ、現実的な面ではこの山林整備で何処かから仕事としてお金が流れてくるのではあろうが、午後6時まではひたすら休憩もほとんどなく働いた。
不思議なことにやはり聖なる土地なのだろうか、翌日はあれだけ猛烈に慣れない土方仕事をしたにもかかわらず、筋肉痛にはならなかった。
続く。