デューン砂の惑星をグランドシネマサンシャイン池袋のIMAXで観てきた。
この映画の原作となった小説の存在は昔から知っていた。
SF小説でも結構有名な物語だが、何故かまだ読んでなかった。
なぜなら、この手のものはSF小説の中でもスペースオペラと言われるものに分類されるもので、私の好みとしてはもうちょっと違うジャンルのSFが好みだったからだ。
スペースオペラとは、いわゆる西部劇的なものを原型として舞台を宇宙に持っていたタイプのSF。
スターウォーズなどはその代表作とも言える。
このスペースオペラ的な物語はこれはこれで面白いとは思うが・・・
「別に宇宙が舞台じゃなくてもいいんじゃねえ?」
的なものが多くどちらかというとあまり積極的に読むジャンルでも無いかなと。
ちなみに、私の読書体験としてはSFが入りだった。
小学生5年生くらいの時だっただろうか。
図書館でジュブナイル(ティーンエイジャー向け)SFシリーズというのがあり、貪るように読んだ記憶がある。
読書が趣味の人はわかると思うが、最初の頃に読んだ本というのはまた格別だ。
タイトルや表紙の絵にワクワクして、家に持って帰って読むのが楽しみだった。
何を読んでも面白かった。
読書というのは不思議な体験で、その物語自体もそうなのだが、その本を読んでいた時期。
例えば10代なら10代の時の風景や感覚がその本と結びつく。
ちょっと古いがペギー葉山だったけ?
「秋の日の 図書館の ノートとインクの匂い♪」
という歌詞があったが、まさにあれで本から漂う紙とインクの匂いが当時の出来事や本のストーリと溶けてどこかに保存される。
まだ木造校舎だった図書室の木の香り
夏の日差し
校庭のざわめき
家に本を持って帰って四畳半を除いたら親父がクジラのベーコンを食べていた風景。
また、当時は作者や本の内容よりも本の表紙絵や挿絵を基準に選んでいた節がある。
今はほとんどKindleで読むので、そういった楽しみは無いのが若干寂しいが、感性が豊かというか、比較的スレていない子供の頃は本当に楽しみだった。
という事でデユーン砂の惑星の感想なのだが、ネタバレにならない程度にシェアしてみよう。
まず、IMAXレーザー/GTテクノロジーシアターに最適化された映画ということで楽しみにしていたが、確かに凄かった。
2日前に予約したが、ちょうど良さげな席が埋まっていたのでフラットシートという最前列の寝そべるタイプの席で鑑賞。
「前すぎないか?」
「見上げるポジションだけど、どうなのよ?」
という心配は若干あったが、料金も普通のシートと一緒だしとりあえずチャレンジということで。
結論から言えば、若干、見上げる体勢だったが、この映画に関してはフルスクリーンの箇所は自分の足の位置まで画面が広がるので没入感は得られた。
字幕もそれほど読みずらくはなかった。
なんというか、ここまで映像と音が凄いと一種のアトラクションのような感じ。
大きさはおよそビル6階分の高さで、国内最大のスクリーンサイズだという。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000006849.html
ただ、もしかしたら1番後ろのグランドクラスと言われる席で鑑賞したら、もっと没入感はあったかもしれない。
それほど巨大なスクリーン。
物語としてはネタバレになるので詳しくは触れないが、事前情報を調べつに観に行ったので続編があるのは知らなかった。
「このペースだといつ皇帝と戦うんだろう?」
とは途中から感じていたが、壮大なオープニング的なストーリーで主人公が覚醒して活躍していくのはまだまだ先みたいな流れ。
確かに声で相手をコントロールする技術、あれはアメリカのTVドラマ「プリーチャー」で主人公の神父が使うやつとソックリというか、デューンが元ネタなのかもしれないが。
まあ、スペースオペラだからツッコミどころは色々とある。
あそこまで進化したテクノロジーなのに、なんで剣と肉弾戦で戦うんだとか。
あんなトンボみたいな飛行機だと砂を巻き上げるだろうとか。
しかし、まあ、それは世界観ということでそういった部分を補う魅力はあると思う。
夢と予言と音楽と砂が入り混じった幻想的かつ圧倒的なIMAXでの映像美。
そういったクォリティーは充分に堪能出来た。
また、印象に残ったシーンとしては主人公のポールが後半にトンボのような飛行機(オーニソプター)で砂嵐に突っ込む場面。
砂嵐の圧で操作が不能になった時にポールは幻影を観る。
「人生の謎は解決(考える?)問題では無く、現実として体験するものだ。
この流れに身をまかせなさい。」
というシーンがあった。
私達の人生には現時点では考えてもわからなかたったり、混乱してしまうような出来事に遭遇する事がある。
そういう時は「体験」する事にフォーカスする事でその問題自体に煩わされている思考や感情を一旦スルー出来る事がある。
という事で、まだ小説も読んでいないしストーリーとしての映画はこの作品だけでは評価はしづらいが次の作品もしくは3部作としての早めの公開を期待したい。