忙しくて後で読みたい場合はLINEに登録してください(こちらをクリック)

古民家に現れた幽霊

何だかタイトルが怪談っぽいが、今日は前回の話の続き。

瞑想でサマタ力が上がってくると実際にどうなっていくかのお話。

前回のお話 カニカ・サマディー(瞬間定)とは

フリースタイルのヴィパッサナー瞑想

私の場合はリトリートに入るまでは大してサマタ力が上がらなかった。

リトリートというのは合宿で通常短くて3日、普通は7日から10日間う場合が多い。

このリトリートも主催する先生や環境によって同じ系列でも大きく異なる。

例えば最初に行った時は福島で外人の僧侶の方のリトリート。

正式名称は忘れたが「フリースタイル」と呼ばれるスタイルのヴィパッサナー瞑想だった。

通常のマハシ 瞑想の場合は身随感といって体の動きにフォーカスする。

特にお腹の動き。

呼吸する時に腹部が膨らんだり収縮したりするのをひたすら観察してサマタ力を高めていく。

しかし、このフリースタイルの場合は中心対象を一番優位な刺激とする。

一番優位な感覚にフォーカスする

例えば、通常だったら呼吸を観察して・・・

・膨らみ

・縮み

・膨らみ

と行っていき、集中する対象を腹と決めたら、あくまで腹を中心とする。

その時、外部の音に気を取られた場合

・膨らみ

・縮み

・音

となるが、強制的にまた腹部へ注意力を戻して

・膨らみ

・縮み

・膨らみ

と行っていく。

これによりサマタ力が上がるシステムなわけだ。

しかし、フリースタイルでは・・・

・膨らみ

・縮み

・音

・音

・音

と仮に音の感覚が優位な場合は音を中心対象としていく。

その時に座っている床との接点の圧力が優位な場合は・・

・膨らみ

・縮み

・音

・触れている(お尻が床に)

・触れている

フォーカスする中心対象が移動していくのが特色。

古民家のコケシ部屋

たまたまリトリートに入るタイミングとフリースタイルに興味があったので、福島へ出かけたわけだ。

これも20年近く前の話になってしまうが、お盆の時期に確か大宮から出ている特急に乗って福島へ旅立った。

リトリートが開催された場所は藁葺き屋根の古民家。

かなり大きな建物で歴史がありそうな建物。

上の画像はWEB素材だが、実際の建物はもっと大きかった。

内部は吹き抜けになっていて天井も高く2階建。

「男性はこちらの部屋になります」

案内されたのが中2階だった。

部屋に入ると無数の大小のコケシが飾ってある。

また、衣桁(いこう)といって着物をかけるハンガー状のものに赤い着物が2着飾ってある。

「なんだ、ここは・・・」

若干、微妙な気配がして少しビビる。

「まあ、しょうがないか」

と思い割り当てられた部屋に荷物をおいて、リトリートが開始。

早速、上でお話したような基本的な瞑想のやり方を教わる。

さて、なんでこんな話をしているかというと・・・

「サマタ力が高まるとどうなる?」

という事だったのでこれから具体例に入っていく。

闇に浮かぶ歩行者

夜も更け就寝時間になった。

「ちょと薄気味悪いが、古民家だししょうがないわ」

「瞑想でチャンティングもしたし、浄化されているだろう」

と思い安心して眠りに入った。

「うっ」

睡眠中に何かの気配を感じて半身を起こす。

暗かったのでボンヤリとしか見えなが、何人かの人が歩く瞑想をしているのが見えた。

「こんな夜中なのに熱心だな」

と思ったが、よく見ると部屋は中二階にあるわけだ。

で、見ている方向中央の吹き抜け部分なので空中になる。

「エッ!!」

つまり、空中を何人かの人が歩いているわけだ。

しばらく見ていると、ボンヤリしてその人影は消えていった。

「ヤバイ、これってアレですか」

「見てしまったわ」

さすが歴史がある古民家である。

ヨーロッパの歴史ある城には幽霊がよく出るという話は良く聞くが、日本の古民家でも同じようなものなのだろう。

なんだかヴィパッサナー瞑想の話から怪談っぽくなってしまったが、サマタ力が高まると人によってはこのように見えたり感じたりするケースは多いと思う。

『スッタニパータ』や『ダンマパダ』などの上座部の経典でもペータ(peta 死者・餓鬼)が出てくるが、これは創作物語ではなく実際に起きる現象である。

この幽霊チックなものが見える見えないは個人差があるが、どちらかというとサマタ力が上がってくると見えやすくなる傾向はある。

以前、肉体の力を削ると意識の存在性が優位になってくるという話をしたが、意識が優位になってくる=サマタ力のアップで身体性というか、物質性の枠を超え始めるわけだ。

とにかく夜中に見てしまったが、まあ、別にいいかと思い次の日から瞑想修行を続ける。

ただし、この後も怪奇現象に見舞われとはその時は思いもしなかった。